オーベルグランディオ萩中

マンション建替え事例

｢市街地住宅総合設計制度」を活用し、容積率を約2割増に

有楽土地、長谷工コーポレーションが事業協力者として推進してきた｢萩中住宅マンション建替事のほど終了。都市型マンション｢オーベルグランディオ萩中」（東京都大田区）として竣工した。

「萩中住宅」は、東京都住宅供給公社が1968年(昭和43年）に分譲したマンション。93年に建て替の検討を開始し、03年8月に建て替え決議が成立。同年11月に組合設立の許可を取得した。

8棟・総戸数368戸だった｢萩中住宅」を、2棟・総戸数534戸の｢オーベル」に建て替えた。｢市街地住宅総合設計制度」を活用し、容積率を約2割増できたことも特徴。増床できたことで一般分譲戸数増加し、既入居者の建て替え費用を軽減することができた。

区分所有法が改正される前の02年12月、最初の建て替え決議を実施。全体で5分の4以上の賛成を得られたものの、8棟のうち1棟だけ5分の4以上の賛成を得られなかった。｢各棟ごとの建て替え決議の成立」という条件を備えられなかったため、決議は不成立となった。

半年後の03年6月、「全体の5分の4以上の賛成、各棟ごとの3分の2以上の賛成」が得られれば、建て替えを認めるとした｢改正区分法」が施行。それを機に再度建て替え決議を実施し、同法を適用した全国初の建て替え事業として、同年8月に決議が成立した。

なお、建て替え決議時の区分所有者数350人のうち、「オーベル」を取得した戸数は298戸だった。

「オーベルグランディオ萩中」の概要は、敷地面積1万6000㎡、地上18階、地下1階建ての2棟構成。総戸数534戸。専有面積44～88㎡。間取りは１LDK～4LDK.。05年8月に完売している。

（住宅新報 2006.3.21号より収録）