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グリーンコート中野

マンション建替え事例

野方団地(東京都中野区)は04年12月16日、都から「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」に基づく「建替え組合」設立の認可を受けた。同団地は66年の建築で、居住者らは、建物の老朽化などを理由に89年ごろから建替えを検討してきた。同事業にはコンサルタントとして都内のマンション管理士が協力。事業参加者が負担する金額をできるだけ少なくするため、参加組合員の中にディベロッパーなどの業者を含まない「自力建替え」による建替え計画となっている。事業施行期間は04年12月から07年4月まで。

同団地は、首都圏不燃公社が建てた2棟44戸の団地で、JR中野駅から徒歩10分程度の住宅地の立地している。これを地上5階建地下1階建て1棟、全54戸に建て替える。組合の名称「野方マンション管理組合」。

現在の平均住戸面積は約51㎡。ほとんどの住戸が50㎡前後で、エレベーター設置はなく、消防法の問題から階段室に手すりを取り付けることもできない状態という。

建て替え後は住戸面積33.33~101.70㎡となる。44戸中、建替え組合に住戸を買い取ってもらい転出する居住者は12人。複数の住戸を取得する組合員もいて、残った17戸分を分譲する計画だ。容積率や日影規制の問題から保留床を大量に確保することが困難で、事業参加は最低でも約1000万円、希望する住戸によっては数千万円の金額を負担する必要がある。

同事業にコンサルタントとして参加している長尾英俊氏(首都圏マンション管理士会城北支部、練馬マンション管理士会会長)によると、同団地で建て替えに関する論議が本格的に行われるようになったのは6~7年前のことで、その時点では「約半数が計画に反対していた」という。その後も検討を重ね、数年前には改正前の区分所有法に基づいて建て替えを決議したものの、全員合意には至らなかった。02年の「建替え円滑化法」施行を受け、04年6月に団地の一括建て替えを決議した。現在、計画の反対者は1人もいないという。

長尾氏は、今後の課題として「自力による建て替えは過去に事例がないだけに、現在の法律だけでは対応しきれない部分も出てくる」と指摘する。例えば「販売用の17戸を建て替え組合が売主となって分譲する場合、組合が宅建業法による規制の必要があるかどうか。また「売主責任」を建替え組合がもつかなどといったことも問題となってくる」と話している。

(住宅新報 2005.1.11号より収録)