旧耐震基準のマンションストック  Mansion Data Report

首都圏ストックの約3割が旧耐震基準マンション

       ー半数が東京都に所在し、小型タイプが目立つー


                     株式会社マンションデータサービス(2006年1月発表)

 1981年6月の建築基準法改正により、新しい耐震基準が制定されました。ここでは新耐震基準の制定以前に竣工したマンションストックについての分析を行います。法の施行は1981年6月、竣工までの期間を考慮して、1982年12月までの竣工マンションを旧耐震基準マンションとし分析の対象としました。

 
1982年以前に竣工した旧耐震基準マンションおよびそれ以前のものの全体像はつぎの通り。
@1都3県に1万2,600件(複数棟の物件含む)、83万戸あり、総ストックの約3割を占めている。
A東京集中傾向が強く、件数ベースで66%、戸数ベースで51%を占める。
B建物は中・低層が多く44%、規模は小規模タイプ(30戸以下)が半数弱を占める。
C公団公社の大型団地が多く、戸数で24%を占める。
●全体比  首都圏では約3割を占める
新・旧耐震基準のストック(1都3県)
項目 件数 戸数
旧耐震基準 12,648 829,588
新耐震基準 31,134 1,726,118
43,782 2,555,706

2006年1月現在、1都3県の分譲マンションストックは、43,700件、2,555,700戸。このうち1982年以前に竣工した旧耐震基準マンションのストック12,600件、829,000戸あり、件数ベースで29%、戸数ベースで32%を占めています。
●地域シェア  5割強が東京都に所在
旧耐震基準マンションの地域シェア(〜1982年)
地域名 件数 戸数
東京都 8,347 421,054
神奈川県 2,421 190,496
埼玉県 962 90,962
千葉県 918 127,076
12,648 829,588

1都3県における旧耐震基準マンションの地域シェアは東京集中の傾向が強く、件数ベースで66%、戸数ベースで51%。総ストックの地域シェアに比べると件数で11ポイント、戸数で4ポイント上回っています。逆に神奈川県においては件数で26%、戸数で4ポイントともに総ストックを下回っています。
●建物  中・低層建物のシェアが44%
旧耐震基準マンションの高層化率
地域名 総件数 5階建以下 6階建以上
東京都 8,347 3,049 5,298
神奈川県 2,421 1,470 951
埼玉県 962 545 417
千葉県 918 470 448
12,648 5,534 7,114
旧耐震基準マンションの建物は、5階建以下の中・低層建物がシェアが意外に高く、神奈川、埼玉、千葉の3県ではその傾向がとくにつくみられます。
●規模  約半数が総戸数30戸以下の小規模タイプ
旧耐震基準マンションの規模の比率
地域名 総件数 30戸以下 31戸以上
東京都 8,347 4,153 4,194
神奈川県 2,421 1,117 1,304
埼玉県 962 370 592
千葉県 918 247 671
12,648 5,887 6,761
旧耐震基準マンションの規模をみると、30戸以下の小規模タイプが件数ベースで半数に近い48%を占めています。都心部に小型物件が多く、郊外にいくほど規模が大きくなる傾向がみられます。
●分譲主  公的機関の分譲物件が戸数ベースで24%を占める
大型団地の多い公的機関の分譲物件は、件数ベースでは6%にとどまるが、戸数ベースでは24%を占めています。民間マンションはマンション専門会社による物件が多く、ニチモ、秀和、大京、朝日建物、中野組、国分建設などが目立ち、このほか東急をはじめとする電鉄系ディベロッパーの物件も沿線周辺に多くみられます。