マンションの建替えーイトーピア桜新町グランピークス | |
伊藤忠都市開発 世田谷区で全国初、建替えマンションを竣工 |
既存不適格物件を隣地を活用して建て替え 「マンション建替え円滑法」に基づく施行再建マンション「イトーピア桜新町グランピークス」が05年3月22日、東京・世田谷区で竣工した。全国初の「個人施行」によるマンション建て替え事業として、伊藤忠都市開発が04年1月に都から認可を取得。既存不適格だった4階建て24戸の分譲マンションを、隣接する賃貸マンションの敷地も活用して8階建て57戸に建て替えた。従前の地権者が取得したを除く住戸42戸を既に完売。23日から入居も始まった。「組合施行」も含め、同法に基づく施行再建マンションが竣工を迎えたのは、全国でこれが初めてとなる。 東急田園都市線「桜新町」駅から徒歩5分の好立地で、間取りは1LDK〜4LDK、専有面積40.62〜85.78u、販売価格3380万〜7190万円。購入者の中心はファミリー世帯で、年齢層は30歳代後半から60歳代まで幅広いという。 施行マンション「グリーンハイツ桜新町」は71年の竣工。2棟からなる団地タイプの賃貸集合住宅だったが、その後、2号棟を所有者が居住者らに分譲した。同社は、03年2月に賃貸棟のままだった1号棟を取得し、2棟まとめての建て替え事業実施を目指し居住者らと交渉を開始。同年9月に、すべての区分所有者が建て替えに合意した。個人施行方式を採用したため「建替え決議」は行わず、「建替え組合」を設立していない。 また、同社では今後、マンション建て替えを事業の柱の1つとしていく方針で、40年10月には都市住宅事業部内に建替事業室を設置。建て替え事業による年間の売上100億円を目指しているという。現在、首都圏の4物件で建て替えに参加しており、そのうち神奈川県の物件では、来年度上期中に行政に事業許可の申請を行う予定だ。(2005.3.29号 住宅新報) |