| 小規模マンションの管理 |
株式会社マンションデータサービス(2005年8月掲載) |
住宅総合研究財団
小規模マンション管理で調査報告
ー全国53件にヒアリングー |
53件の小規模マンションを対象に聞き取り調査
総戸数が50戸を下回るような、いわゆる「小規模マンション」は、修繕のための資金が不足しがちで、権利関係が複雑化しているケースがみられるなど、管理上の問題を抱えていることが少なくないといわれる。
東京や横浜などの都市部に集中的に存在するこうしたマンションについて、これまで専門の調査や研究はほとんど行われてこなかった。(財)住宅総合研究財団は03〜04年にかけ、首都圏を中心として全国53件の小規模マンションを対象に聞き取り調査を実施。その結果をこのほど「小規模マンション管理の課題と解決策に関する調査報告書」としてまとめた。以下、小規模マンションの実態を知るうえで貴重な資料となる同報告書の概要を紹介する。
管理室の設置率は58%だが築年による違い鮮明
設備面では、管理室の設置率は全体の58%。築年数別では73年以前のものは設置率30〜40%で全体平均を大きく下回った。また、集会室の設置率は全体で15%にとどまっており、管理上、必要なスペースが確保できないマンションがすくなくないことなどが見て取れる。
分譲方式は「一般分譲」が主
分譲方式については「一般分譲」が全体の79%を占めたほか、「等価交換方式」19%、「順次分譲方式」2%。サンプル数が少なく全国的な傾向と言い切れないが、一般分譲が思いのほか多い結果となった。
管理方式は「委託管理」と「自主管理」が拮抗
管理方式では、「委託管理」26件に対し、一部委託を含む「自主管理」27件と拮抗した。竣工年別に見ると、95年以降に竣工した物件に自主管理のマンションはなく、一方で74年以前では委託管理はなかった。
長期修繕計画が「有る」が73%だが、築20年以上ではほとんどが未整備
建物や設備の維持・管理に関しては、長期修繕計画が「有る」73%、「無し」25%。竣工年別に見ると、10年未満は100%整備されていた半面、「無し」と回答した13管理組合中12件は築後20年以上であるなど、完成時期による違いも明らかとなった。
大規模修繕の工事費は、1回目88.5万円、2回目118万円
大規模修繕工事の施工者は「メンテナンス会社」59%、「総合建設業者」「マンション元施工」がともに14%となった。
大規模修繕の工事費を見ると、1回目は平均して戸あたり88.5万円、2回目は戸あたり118万円で、スケールメリットが働かない分、中規模以上のマンションの平均工事費(戸当たり50万〜80万円)と比較して高額となった。
これらの結果に基づき報告書では、問題点がある個所について、管理運営上は@管理運営全般A建物修繕などのハード面の対応B広報や書類保管などソフト面C管理組合への参加意欲ーの4項目。建物・設備の維持管理では、@長期修繕計画A建物診断B大規模修繕工事ーの3項目に整理。
そのうえで解決の方向性の試案として、@地域ネットワークの構築A大規模修繕などにおける専門家の協力体制B共同施設の共同確保ーなどといった手法を挙げている。(住宅新報2005.6.21号より掲載) |
|