マンション建て替え事例 | 株式会社マンションデータサービス(2005年9月掲載) |
公団の大型団地・国領住宅建て替え 事業会社は旭化成ホームズ |
容積率アップしマンション団地建て替え 旭化成ホームズはこのほど、64年に日本住宅公団により分譲された「国領住宅」(東京都調布市国領町8丁目、敷地面積1万3282u)において一括建て替え決議が成立し、マンション建替組合設立を申請したと発表した。 参加組合員として同社も建て替え事業に参画する予定で、来春着工、平成20年の完成を目指す。 都計「一団地施設規制」を廃止 同マンションの建て替えにあたっては、公団・公社の多くの分譲団地に共通して見られる、都市計画法11条による一団地施設としての規制を廃止し、新たに地区整備計画をかけるための都市計画手続きを経ることで建ぺい率を20%から60%に、容積率を70%から200%に変更するなど、現実に即した土地利用を実現したのが特徴。 「一団地の住宅施設」の規制を受けている分譲住宅は、東京都内に43カ所。2.87万戸存在しているが、この規制を廃止したのは分譲団地としては東京都初の事例で全国でも極めて珍しいという。 築42を経過し建物の老朽化が進行 築42年を迎えて建物の老朽化が進んでいる現況の国領住宅は、エレベーターもなく電気容量の不足や給排水管などの老朽化も目立っていたことから建て替えが検討されていた。 再建計画によると、鉄筋コンクリート造地上4階建て7棟(全144戸)、3Kと3DKからなる1戸当たりの平均面積約45uの現状を、鉄筋コンクリート造地上14階建地下1階他7棟(全320戸)・1LDKから4LDKの間取りとなる専有面積57u〜107uに建て替える。 7月3日時点における一括建て替え決議時の賛成者は123人で、非賛成者は9人。その後、催告により8月1日時点での非賛成者は6人に減少しており、同社では引き続き全員合意に向け鋭意努力中としている。 00年に約10社のディベロッパーの中から旭化成ホームズを選ぶ 国領住宅は、86年に一時建て替え計画が持ち上がったものの、協議を重ねた公団(現都市再生機構)が撤退したため、00年に約10社のディベロッパーの中から旭化成ホームズが選ばれた。以後、一団地の規制廃止に向けて行政当局と折衝を続ける間に、国から「一団地の住宅施設の見直しについて」とする都市計画運用指針や、東京都から「一団地の住宅施設見直し方針」がだされたものの、前例がないことを理由に協議や手続きに多くの時間を要した。(住宅新報2005.8.30号より掲載)
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